友遠方より


歳取ったなあ。お互い様だ。僕は彼のことが嫌いだったし、彼のことを理解もしていない。彼は僕のことが嫌いだったし、彼は僕のことを理解しようとしたこともない、はずだ。けれど僕は彼のことを[ヨシ]としたし、彼は僕のことをヨシとした。もしかしたら二人の命があるうちに会うことはもうないかも知れない。格好つけて言うならば・・・だ。
楽しい時間を過ごした。

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介護のサービスに携わる方々には頭が下がる

母がお世話になるまで、ほとんど何も知らなかった世界だ。介護の皆さんの待遇はもっともっと良くなるべきだ。何が福祉国、老人子どもに優しい国。選挙の時だけの小道具公約など・・・すでにマニフェストも過去の流行語だ。
冬至にちなんで、母の入浴用の湯船には「ゆず」が入れられた。看護師のおひとりのご実家で採られたものだと・・。みなさんの心遣いがとてもうれしかった。

年賀状を書きながら・・思った。

年賀状は書きたい人には書く。ただ、書きたいことをすべて書くわけではない。書けるわけではない。書けないこと・・・それはそれで楽しい。歳を重ねても精神的年齢は・・高校生、いやそれ未満なのかも知れない。身体にはもうガタがきた。今年は中村さんには書かないことにした。

スタニスワフ・レム・・発音しにくい名の作家だ。それは慣れ親しんでいない作家だからだ。

彼の本を手にしたのも偶然だった。偶然に出会うしかない彼/彼女らのうちのあと何人に会えるのだろう。会えなかった作家が多すぎる。それ以前に、知らない作家が多すぎる。僕の知見は狭すぎるのだ。

雨が降っている

深夜12時。音をたてて雨が降っている。雪が降る、その音を聞いたことがありますか。雪にも音があるのをご存じですか。そう訊いた少女はすでに他界した。彼女は老いることをしなかったのだった。

ドラマJINを見た。

ドラマのスポンサーのCMのナレーション、あれはきっと遠藤憲一だ。確信は持てないけれど。映画マトリクスの宣伝ナレーションも彼だと思う。確実なことではないけれど。遠藤憲一の声は魅力的だ。ぼくは遠藤賢司の訃報をみてマトリクスのことを思ったのだ。ぼくは熱心な遠藤賢司のファンではない。カレーライスくらいしか知らない。思い出せない。しかし、あの独特の曲、歌い方、声・・記憶の隅には存在していた。
ドラマJINを見た。音楽はすぐに舞い戻ってくるのだけれど、ストーリーはほぼ忘れてしまっている。CMのナレーションは・・・遠藤憲一なのかは不明のままだけれど。マトリクスの映画宣伝の声はDVDを回せば確認できるのだけれど・・これはめんどくさい。

「高校三年生」が流されていた。城山スズメだ。

僕は小学校1年生で、彼は6年生だったように思う。あのとき、舟木一夫を歌っていたのは従兄だった。奄美大島、古仁屋から手安まで1里を歩いたのは夕方だった。
舟木一夫の鹿児島コンサートは中止ではなく延期だと采野アナウンサーが言ってた。彼の病気は良くなるのだろう。けれど従兄の意識は混濁していて、もう戻らないかも知れない。彼の病気は良くはならない、らしい。そんなこと聴きながら、そんなこと考えながら、赤信号で停車したとき、目の前の横断歩道をぽっぽっぽっ・・・・といいながら鳩がゆっくり歩いていた。大通りを横断していった。鹿児島中央駅前だった。僕は右折しなきゃならなかった。