孤独な少年が学校帰りに、空き缶を蹴飛ばしていた。(境界線の話)

町内会の配りものをしていると。いろんな風景に出会う。学校帰りなのだろう、少年が空き缶を蹴飛ばしていた。彼は孤独なのだと決めつけることはできないけれど。まあとにかく孤独であって欲しい風景だ。彼は見当違いの方向に空き缶を蹴っては行きつ戻りつしながらなかなか前には進まない。遠い昔の風景を思い出す。まだ道路がまばらにしか舗装されていなかった頃のことだ。学校帰りの道には、桜島の大噴火からかなりの年月が流れていたにもかかわらず軽石が落ちていた。、もしかすると桜島とは無関係だったのかもしれないけれど、道には軽石がよく落ちていたのだ。よく吟味すれば適当な木切れも探せなくはなかったから。僕らは通学路の途中の狭い川に、それぞれの船を浮かべて川下に向かって競争させた。ゴールは海岸線ではなく。校区の境界、限界の大通りだった。そこから先は未知の世界だった。僕ら子どもだけでは立ち入ることが許されないもうひとつ別の世界が確かにあったのだ。

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