像が踏んでも壊れない筆箱ってのがあった。

池田君の話だ。僕らはいじめっ子だったわけではないし、彼はいじめられっ子だったわけでもない。けれど彼はお金持ちの息子だったし、もしかすると僕らは悪ガキだったかも知れない。
像が踏んでも壊れない筆箱を彼が学校へ持ってきた。実験好きの僕らは、像が踏んでも壊れないハズの筆箱を地面に置き、そんなに高くはない木の上から飛んだ。せいぜい5、60cmの高さだったはずなのに。像が踏んでも壊れないハズの筆箱は簡単に折れた。
僕らはいじめっ子だったのかも知れない。彼はいじめられっ子だったのかも知れない。そのあとのことを僕らは、少なくとも僕は覚えていない。けれど彼はお金持ちになった。今もきっとお金持ちだ。
僕は池田君の話を始めようとしている。

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